骨の解剖学 【骨は若さを司る門番】

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2024.08.07

セラピストコラム

【骨の解剖学】Part1 \骨は若さを司る門番/ No14

昨年腰椎破裂骨折したITS名古屋校の神野あさみです。

そんな私が今日は骨のリモデリング(代謝)に関してのコラムを書きます。

コルギ講座の座学の一部なので、参考にして下さいね。

「若さを生み出す臓器」

皆さん骨は「体を支える為のカルシウムの固まり」と思っていませんか?

実は骨は「若さを生み出す臓器」として注目を集めています。

 

骨はカチカチの硬いカルシウムの固まりと思われがちですが

意外にも中は隙間だらけで、スポンジのようになっています。

衝撃や重さを軽くするためです。

人間の身体って不思議ですよね!

 

してそのスポンジの中には沢山の細胞がうごめいています。

そしてこの細胞(骨芽細胞)が、発している特別なホルモンがメッセージとして全身に届けられ、私達の若さを生み出していることが最新の研究によってわかって来ています!

 この骨からのメッセージ物質「オステオカルシン」が脳に届くと【記憶力をアップ】させます。

また「オステオカルシン」は筋肉に届くと筋肉のエネルギー効果を高め【筋力アップ】させます。

「オステオカルシン」は精巣に届くと「テストストロン」となって男性ホルモンを増やし【精力アップ】します。

 また、骨からのメッセージ物質「オステオポンチン」免疫細胞を増やし【免疫力アップ】私達を病気から守ってくれる事も明らかになっています。

 

逆に骨からのメッセージが途絶えてしまった時、記憶力、免疫力、筋力などの低下が起こり、まるで命のスイッチを切るように、老化減少が加速してしまう事になります。

 【骨のリモデリング】

実は骨は「リモデリング」(骨代謝)をしています。

壊いては生まれて、壊しては生まれての繰り返しをしています。

3年〜5年でいまある骨はすべて新しい骨に入れ替わると言われています。

 

骨の中をアメーバのように動き回る細胞がいます。

それが【破壊細胞】です。

【破壊細胞】は劣化した骨にやって来て、水素イオンを分泌して強い酸性で骨のカルシウムを溶かします。(骨吸収)

【破壊細胞】が古い骨を溶かして出来た骨の表面の窪みが骨吸収窩です。

【破壊細胞】はカルシウムを溶かして、次の古い骨に移動していきます。

【破壊細胞】によって出来た骨吸収窩に【骨芽細胞】がやって来て類骨なり

石灰化して「骨基質」になります。

【骨芽細胞】は自分が作った「骨基質」のなかに閉じ込められ【骨細胞】になります。(骨形成)

これが骨の「リモデリング」です。

 

 

この【骨細胞】は数百億もあり、骨の柱に張り巡らされ全身にネットワークを作っています。

骨は衝撃を感知すると、【骨細胞】が衝撃センサーの役割をして、【骨細胞】は骨をつくるのを辞めようと言うブレーキ役のメッセージを減らして、代わりに骨を作ろうというアクセル役のメッセージ物質を増やして【骨芽細胞】の量を増やします。

 

つまり私達は活動的に動いている限り、この骨芽細胞からメッセージ物質を沢山出して全身を若く保ってくれているのです。

骨は特別なメッセージを血液を通して脳や筋肉など人体の臓器に特別な物質を届けて人体の若さを生み出しています!

骨は若さを司る門番なんです。

では、次回のコラムはどうやって骨を強くして、若くなる方法を伝えしますね。

 

 【参考】

■アメリカ、コロンビア大学のジェラール・カーセンティ博士は、骨が出すメッセージ物質の研究家。

オステオカルシンは骨の中から血管を通じて全身に届けられ、「記憶力」「筋力」さらには「生殖力」まで若く保つ力があると、最新の研究をされています。

■ドイツ・ウルム大学のハームット・ガイガー博士は、骨芽細胞の出す「オステオポンチン」というホルモンに、"造血幹細胞の機能を若く正常に保つ働き"があることを論文で発表しました。

■ミズリー大学准教授パラメ・ヒントン骨は衝撃を感知すると骨量を増やすことを研究で明らかにしました。

 

ITS名古屋講師 神野あさみ